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梓「……」 いや、いくらなんでも長すぎるだろ。 ぱちりと、片目を薄く開けてみる。 唯「あ……、愛……、愛……?」 目を点にして、頭から煙を上げながら硬直していた。 梓「ちょ、唯先輩!? しっかりしてください!!」 梓「……」 唯「……」 なんとなく、気まずい。 やっぱり、告白なんてするべきじゃ無かったのかもしれない。 梓「すみません、突然あんなこと……。 迷惑……でしたよね」 唇まで奪っておいて、迷惑で済まされるものか。 なにが百合の神様だ。あんなの、ただの私の妄想じゃないか。 そっと席を立とうとすると、私の腕を唯先輩が掴んだ。 唯「迷惑なんかじゃ、ないよ。 ちょっと、ビックリしただけだから……」 梓「……」 ど、どうしましょうかしら? 何を言ったらいいのか、わからないんですけども。 キスなんかしちゃったもんだから、テンションが上がりきっていたというか、 変な興奮物質分泌されてたせいで、さっきまではなんともなかったのに。 中途半端に時間が経ったら、めちゃめちゃ恥ずかしくなってきた。 唯先輩なんか、もじもじと指を絡ませながらウットリしてるし。 まじでどうしましょうかしらこの状況。 傍目から見ても、かなりおどおどしているだろう私。う~ん、カッコ悪い。 唯「全然、嫌じゃなかったよ?」 梓「……え?」 唯「あずにゃんにちゅーされた時、全然嫌な気分にならなかった」 唯先輩は、でもまたいきなりするのはやめてね。と、続ける。 私にも心の準備ってものがあるんだから!ぷんすか!と 『ぷんすか!』まで正確に発音した上で釘を刺された。 羞恥心で人が死ねるのなら、私は間違いなく今この場で絶えている。 唯「私はあずにゃんのこと大好きだし、あずにゃんも私のことを好きでいてくれる――」 照れくさそうに、微笑む唯先輩。 本当にこの人は、私の「好き」の意味をわかってんのかと問い詰めたくなる。 唯「だから、好き同士で付き合うんだったら、別におかしなことじゃないかなって」 けれどその笑顔は、風情ある虫達の大合唱よりも、月無き御空に煌く無数の星々よりも、 ずっと、ずっと――綺麗だったから 梓「唯先輩……」 唯「……いいよ、あずにゃん」 え? 何がいいんですか? フラグ? いや、ダメですよ唯先輩。 高校生はキスまでです。 第一、野外ですよこれ。 初めてが野外だなんて、どんだけですか。 どんだけですかーー! と思い切り口にしながら、私は唯先輩の胸に手を伸ばす。 ――もうどうにでもなぁれ。 梓「あぁん……、唯先輩……そこはダメ……。ふ、ふふっ」 あったかくて気持ち良い……。 なんとも言えない微睡から僅かに意識を覚醒させる。 梓「……」 唯「……」 えーと、……あれ? なにがどうなって、私は公園のベンチに横たわっているんだろう。 それよりも、どうして今日この人はスキニーパンツを穿いていらっしゃるのでしょうか。 ミニスカートとまでは言わないけど、せめてショートパンツにしてくださいよ。 せっかくの膝枕が台無しじゃ―― 梓「――膝まくらっ!?」 ガンッ! 唯「おふっ!?」 梓「いだっ!?」 跳ね上がるように起きあがった瞬間、唯先輩の顎に、思いっきり頭をぶつけた。 唯先輩と私は、それぞれ右側と左側に分かれて蹲り、痛みと戦う。 痛い。 でも多分、顎の方が痛い。 まさか、舌とか噛んでませんよね? 唯「い、痛い゛よ、あずにゃん……」 梓「す、すびばぜん……」 まじでゴメンナサイ。 だけど、今ので完全に覚醒しました。 唯「びっくりしたよー、急に頭から煙だして倒れちゃうんだもん」 梓「ええと……もしかして、これ夢オチってやつですかね」 私が唯先輩にき、キスしていて、それでそのまま告白しちゃって……。 その後……その後っ!! うわあああああ!! 馬鹿!どういう夢だよ!!なんなの?欲求不満なの!? ものすごいリアルな夢だった。 唯先輩を抱いた腕と、重ね合わせた唇に、その感触が未だ残っているような―― ……あれ、夢だよね? 唯「……」 梓「……」 互いに顔を見合わせる。 唯「顔、赤いよ?」 梓「先輩こそ」 唯「だって、あずにゃんが……」 唯先輩の目尻には、涙が溜まっているのでドキッとしたが、 よくよく考えたら、それは多分、顎を強打したせいだ。 ていうか私がなに!?何言ったの!? 或いは何したの!?どこからが夢なの!? 梓「ええと、今後の立ち振る舞いの参考に、聞いておきたいんですけど」 唯「うん」 梓「私は……その、一体何を――?」 唯「私の口からはとても……」 ポッ、と赤くなる唯先輩。 ちくしょおおおおおお!!! 唯「お腹もすいたし、そろそろ帰ろっか」 梓「……そう、ですね」 そういって、唯先輩は歩き出す。 私も慌てて先輩を追う。 唯「――は、――しないでね……」 あ……。 梓「唯、先輩――、今、なんて……?」 唯「えへへ、 内緒~」 振り返って、少しだけ恥ずかしそうに微笑む唯先輩。 梓「えー、いいじゃないですか、教えてくださいよ」 その笑顔が大好きだから―― 私は、そっと先輩の手を握る。 さっきよりも明るく見えた星々は、私達を祝福してくれているようだった。 ―平沢家― 唯「ただいまー、ういー」 唯先輩のその声に、慌てふためいた憂が猛然と走ってくる。 憂「お、おかえりお姉ちゃん!!」 唯「……あずにゃん、なんで隠れてるの?」 梓「あ……、その……」 憂「おかえり、梓ちゃん」 憂は少しだけ目に涙を溜めて、嬉しそうに笑った。 梓「憂、その……ごめん、いきなり飛び出したりして……」 憂「いいんだよ。隠し事してた私にも非があるんだから」 そういって、憂は両手を広げた。 え? なにそのポーズ。 憂「カモン!」 カモンじゃねえ。 梓「えーと……」 憂「えー、来てくれないんだ……」 梓「いや、だって……恥ずかしいし」 憂「じゃあお姉ちゃ―」 梓「うわーーい!!」 一寸の迷いも無く、腕を広げる憂の胸に飛び込んだ。 唯「えー、ずるいよ二人だけー」 ぎゅうっ! あったかな二人に包まれて、 憂の、唯先輩より膨よかな二つの感触が正面に。 唯先輩の、控えめな二つの感触が背中に。 さしずめ私は、ふわふわの食パンに挟まれてとろける具だ。 サンドウィッチハーレムだ。 さらにこの後には、唯先輩が作ったという夕御飯が待っているという。 一体どこへ迷い込んでしまったのでしょうか。 ここは極楽浄土か、桃源郷か。 これから先も、ずっとそんな平和な時が続いていく――。 けれど、そのニュアンスは改めなくてはいけないようです。 これから先も好きな人と一緒に、ずっとずっと、幸せな時を過ごしていければいいな――。 おしまい。 おまけ やったァーーッ メルヘンだッ! ファンタジーだッ! そう、ここまでは全てこの私、平沢憂の計算通り。 今日一日、私がお姉ちゃんにべったりすることで、梓ちゃんは欲求不満に陥った。 そんな中、私はお姉ちゃんに、梓ちゃんに手料理をご馳走してあげたら?と提案。 するとお姉ちゃんは、いとも容易くやる気を出した。 もう、可愛すぎる。 可愛すぎるから辛抱たまらなくなって食後にお姉ちゃんの使った箸をレロレロした。 そして、手料理をサプライズに計画して、梓ちゃんを一人にする。 うまくいくだろうとは思っていたけど、ここまでとは思わなかった。 帰ってきたときの二人の僅かに上気した表情。 愛されオーラ三割り増しどころか十割増しだ。 そのまま二人とも押し倒してやろうかと思ったけどハグで譲歩した。 うふふ、理性を保つのって大変なんですよ? そして今現在、梓ちゃんはもちろん、お姉ちゃんの部屋だ。 私はあらかたの家事を済ませ、自室で勉強をする……フリをしている。 理由は簡単。私が一緒では、することもできないだろうから。 梓ちゃんは、きっとお姉ちゃんの大してありもしない色香にムラムラきてるし、 お姉ちゃんは梓ちゃんに迫られたらきっと拒めない。 そして、私が別の部屋で、二人は同じ部屋で一夜を共にする。 以上の情報から導き出される解はただ一つ。 まちがいない。 セクロス。 あとは、機を見て私がお姉ちゃんの部屋に飛び込めばいい。 全裸で。 スタンドも月までブッ飛ぶ衝撃だ。 憂「……」 隣の部屋からは、まだ楽しそうに会話する声が聞こえる。 くそう、まだか。まだなのか。 憂「……あ」 お姉ちゃんの部屋の電気が消えた。 ということは、つまり。 いや、待て。……まだ早い。 まだもう少し経って……もういいや。 私は、足音を立てぬように、ゆっくりと歩く。 そして、お姉ちゃんの部屋の前で立ち止まり―― ――思い切り扉を開けた。 梓「!?」 唯「!?」 憂「!!」 馬鹿な!? 普通に寝ていた……だと!? 唯「う、うい……?」 梓「そ、その……服を……」 憂「え?」 梓「服を着ろおおおおおっ!!」 今度こそ、おしまい。 戻る
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唯「ちーわー、やっと掃除当番終わったぁ。もうヘトヘトだよー…」 紬「お疲れ様。ささ、唯ちゃんも座って。今日はブッシュ・ド・ノエルよ」サッ 唯「おぉ!やったね、私ブッシュ・ド・ノエル大好きだよ!」 澪「そうなのか?それは初耳だな」 唯「うん!だってなんか語感がいいじゃない。ブッってなってドッって」 律「語感かよ…。ほらほら、早く食べて練習するぞ」 唯「待ってよ律っちゃん、まだ一口も食べて無いんだからさ!…あれ、そいやあずにゃんは」 澪「あぁ、梓なら風邪気味らしくて今日は帰るって言ってたぞ」 唯「ほほぅ…」 紬「それじゃ唯ちゃんにもお茶入れるわね」サッ 唯「あ、ちょっと待ってよムギちゃん!ストップ、ストップだよ!」ガバッ 澪「な、なんだよ唯…!いきなり大きな声を出すな」 紬「ど、どうしたの唯ちゃん?」 唯「私、今日はあのカップで飲みたいよ!」ビッ 律「あのって…、アレは梓のカップじゃねぇか。唯は自分の分があるだろ」 唯「そうだけどさぁ。あずにゃんのカップカワイイじゃん!一回飲んで見たかったんだよ。いいかなムギちゃん」 紬「そうね。梓ちゃんは今日はお休みだしね」サッ 唯「やったぁ!ささ、早く注いで!」 ズズズズ… 唯「はふぅ…。うーん、やっぱりあずにゃんカップはひと味もふた味も違うねぇ。紅茶の深みが更に増してるよ」 律「増してねーよ。別に私と一緒の普通のカップだろ」 唯「ふふっ、可哀相な律っちゃん…。あずにゃんカップの素敵さが分からないなんてさ」ズズズズ… 律「分かんねーよそんなの。なんだその哀れんだ目は!」 澪「しかし、プラシーボ効果と言う物もあるしな。唯の言ってる事もあながち間違って無いかもな」 唯「プラシーボ効果…?何なのかなそれは」ズズズズ… 澪「例えば、ただのビタミン剤をクスリだと言われて飲むと普通よりも治りが良くなったりするんだ」 律「は…?なんでだよ、ビタミン剤はビタミン剤だろ。そんなの変らないだろ」 紬「思い込みによる効果といった所かしら」 唯「うーん…、良く分からないけどあずにゃんカップは凄いって事だよね!」 律「なるほどなぁ、思い込みの効果なら唯には絶大な訳だぜ」 唯「ふふふ、律っちゃんには貸してあげないよ。このカップは」ズズズズ 律「いや、別にいらねーし。私にとったら普通のカップだもん」 唯「違うよー、あずにゃんカップは特別なの!普通じゃないんだよ」 澪「はいはい、二人ともそこまで。そろそろ練習始めるぞ」 紬「そうね、じゃあ片付けましょうか。唯ちゃん、カップを取ってくれるかしら?」 唯「あ、ちょっと待ってね。ここにも紅茶がちょっと垂れてきちゃって…」かぷっ 律「何やってんだよ唯?取っ手なんか咥えたら汚いだろ」 唯「汚くないよぅ、この取っ手も猫のしっぽになっててカワイイんだよー」ペロペロ 澪「やれやれ、随分と気に入ったんだな。梓のカップを」 … 梓「ふぇっくしょん!!」 憂「わっ!?梓ちゃん大丈夫?」 梓「うん…。なんか急に背筋に寒気がしちゃって…」 憂「風邪は引き始めが大事って言うからね。今日は、部活を早退して正解だよ」 梓「うん。まぁ、それはそれで心配なんだけどさ…」 純「そだ、丁度いいから駅前のアウトレットモールに行かない?新しく出来たのよ」 梓「あのねぇ…、私達の話聞いて無かったの?部活早退したんだけど」 純「だからじゃない。普段一緒に帰れないんだし、こういう時じゃないとね!」 梓「私はパス…、頭フラフラするし。行きたかっら憂と二人で行きなよ」スタスタ 憂「あ、待ってよ梓ちゃん。…純ちゃん、それはまた今度の休みにしようよ」 純「ちぇっ、仕方ないなぁ。…こら、待ってよ梓!」 =次の日= 梓「くしゅん!」 憂「どう?まだ、治りそうに無いかな」 梓「昨日より大分マシになったと思うんだけ……くっしゅん!」 純「ほほぅ、だったら梓!今日こそは行こうじゃないの、アウトレッ…」 梓「行かない。今日は部室に顔だすから」 純「ちょっと、最後まで言わせてよ!」 憂「部室に…?大丈夫なの、今日も早退した方がいいんじゃないかな」 梓「やっぱり気になるからさ、唯先輩達ちゃんと練習してるのか…」 唯「………………」チラッチラッ 憂「あれ?あそこのドアから何度も覗いてるのってお姉ちゃんかな」 純「噂をすればなんとやらってヤツだね。ほら、行っておいでよ」 梓「私の教室まで来るなんて…。どうしたのかな?」スタスタ 梓「唯先輩、どうしたんですか?こんな所まで」 唯「あずにゃん、どうかな調子は?気になってさぁ」 梓「有り難うございます。まだちょっと頭がフラフラするけど、今日は顔を出しますね」 唯「…………え?」 梓「どうしたんですか?ハトが豆鉄砲食らったような顔して」 唯「ま、待ってあずにゃん!気をしっかり持つんだよ!」バッ 梓「なんですか?別に持ってますよ…」 唯「えっとね…、まだ無理しない方が良いと思うんだよ!風邪は引き始めが大事っていうじゃん!」 梓「いえ、もう大分治りかけてますんで大丈夫ですよ」 唯「そ、そうなの!?だったら、アレだよ。風邪は治りかけが大事っていうじゃん!」 梓「言いませんよ…。どうしたんですか今日は。早く部室に行きましょうよ」 唯「違うんだよ!わたしはあずにゃんの身体を、あずにゃんの未来を心配しているんだよ!」 梓「私の…未来?なんですかソレ」 唯「良く考えてごらんあずにゃん、ここで無理しちゃったら今度の試験に影響しゃうかもしれないんだよ!」 梓「いえ、普段勉強してるんで大丈夫です。…大袈裟ですよ、そんなに心配しなくても」 唯「それは心配だよ!だってあずにゃんは未来の軽音部を担う大切な存在。大切な私の後輩なんだから」 梓「ゆ、唯先輩がこんな気遣いを…。いつの間にこんな大人に」 唯「分かってくれたんだね…あずにゃん!」 梓「…って、そんな訳無いでしょ。そうやってまた練習サボるつもりでしょ。ほら行きますよ」グイッ 唯「はぅ!待って、待ってよあずにゃん!話を聞いて」 スタスタ 憂「お姉ちゃん、どうしたの?廊下で暴れたら危ないよ」 唯「う、ういー!?ナイスタイミングだよ!あずにゃんを、あずにゃんを止めてよ憂!」 憂「えっ!?こ、こうかなお姉ちゃん…?」ガッシ 梓「あ、コラ!?離してよ憂!ズルイですよ先輩」 唯「ういー、あずにゃんは無理して部室に来ようとしてるんだよ!お家まで送ってあげてくれないかな」 憂「あ、うん。分かったよお姉ちゃん」 梓「離してー、離しなさいよ憂!」ジタバタ 唯「それじゃ、あずにゃんお大事にねっ!」ダッダッダッ 梓「待ちなさいよ唯センパイー!」 … 唯「あずあずカップー、あずあずにゃんー♪不思議なカップー、あずあずカップー♪」スタスタ 澪「…うん?どうしたんだ唯。やけに上機嫌じゃないか」 唯「別にぃー、なんでもないよ」 律「とてもそうには見えないけどなぁ。まぁいいや、早速始めようか」 唯「りょーかいだよ律っちゃん!早く、早く!」 澪「珍しいな…。唯がやる気満々だぞ」 紬「そうねぇ。まぁでも良い事じゃないの」 澪「それはそうなんだが…」 唯「はいはいー、それじゃいっくよー!」サッ ジャジャーン… 唯「ふぅ………」サッ 澪「……なっ」 紬「………これは」 唯「ん?どしたのみんな、律っちゃんが豆鉄砲食らったような顔して」 律「どういう意味だよそれ!?っていうかなんでそんなにタイミングピッタリなんだよ、リズムキープとか完璧じゃねぇか!」バッ 唯「え?そんな事言われても分からないよぅ。そんな事より、今日の練習分終わったよね!」 澪「…え?あぁそうだな、やけにすんなり演奏出来たからな」 唯「よっしー!それじゃ、ムギちゃんお茶にしようよ!」 紬「え?あぁ、そうね。今準備するわね」 律「…まさか唯のヤツ。ティータイムがしたいが為にあんな演奏が出来たのかよ」 澪「そんな訳無い……、事も無いな。唯ならばやりかねないかも」 唯「ムギちゃーん、今日もこのカップにお願いー」サッ 紬「あ、うん。分かったわ」サッ コポコポ 唯「おぉ!あずにゃんカップに紅茶がトポポー♪あずあずカップー♪」 律「なるほどねぇ。コイツが唯のお目当てって訳かよ」ズズズズ… 澪「そういえば、梓は今日も休みか?」 唯「そだよー、風邪は安静にしてないとね。ねぇ、あずにゃんカップもそう思うよねー」サスサス 律「やれやれ、ギー太並の溺愛っぷりだな…。唯のプラシーボ能力が羨ましいわ」 唯「はふぅ…!やっぱり美味しいよぅ、あずにゃんカップは」サスサス 紬「まだまだ沢山オカワリはあるからね」 唯「やったー、あずにゃんカップなら何杯でもオカワリできるよ!」サッ 澪「さてと…、そろそろ片付けて帰るとするか」 唯「えー、もう帰るの?もっとあずにゃんカップと一緒に居たいよぉ」サスサス 律「そんなに飲んだらお腹タプタプになっちまうだろ。夜中にお漏らししても知らないぞ」 唯「何言ってるの律っちゃん。もう高校生なんだら、そんなの大丈夫だよー。それにいざとなったら憂がいるしね!」 律「いや、それ大丈夫じゃねぇよ!?憂ちゃんをどうするつもりだお前!」 カチャカチャ 澪「ほらほら、そんな馬鹿な事言ってないで。今日は唯が当番だろ、早くしないと日が暮れちゃうぞ」 唯「あ、そういやそうだったね?それじゃ洗ってくるよ」サッ カチャカチャ 運動部の掛け声であろう鼓舞をぼんやりと耳にしながら、おぼつかない足取りで私は手洗い場にかたどり着く。そして、蛇口から流れる水道の音を辺りに鳴り響かせながら、四つのカップを次々と洗剤を付けたスポンジで擦っていく。 「うんしょっ、うんしょっ…。おわっ、危ない!」 …何度やっても、洗剤を付けてカップを洗うという行為は慣れない。何故かというと、今の状態のカップは酷く滑りやすいのである。 気を抜くとまるで新鮮なネコジャラシの様に私の手のひらから抜け出してしまうからだ。なので、私はこの時ばかりは演奏の時が如く、神経を張り詰めて作業に挑むのである。 「よーし、残りは一つだね。早く終わられないと…」 手を伸ばして、その最後の一つに取り掛かろうとした瞬間、まるで金縛りにでもあったかのように私の身体は動きを止める。しかし、その視線はある一点を凝視していた。 唯「あずにゃんカップ…。はぁ…、やっぱりカワイイよぅ」 まるでギー太を愛でるかの様な手付きで、私は優しく…、そして繊細にあずにゃんカップを手に取る。 「よーし、このカップはより丹念に洗ってあげよーっと。きっとあずにゃんカップも喜ぶよぅ」 「あら、唯じゃない。何やってるの?そろそろ完全下校時刻よ」 私は聞き慣れたその声の方向に、勢い良く振り向く。刹那、足元から激しい衝撃音。 振り向いた目に映ったのは、予想通り和ちゃんであった。 「うん、分かってるよー。このあずにゃんカップを洗い終わったら帰るよ!……ってアレ?」 「あずにゃんカップって、その床で粉々になってるソレ?」 和ちゃんの言葉に、私は足元に視線を向ける。そこには、無残にも砕け散った陶器の欠片があった。 「の、和ちゅあぁぁぁぁぁん!?なっ、なんなのコレ!一体誰があずにゃんカップにこんな酷い事を!!?」 「誰って…アナタじゃないのよ。仕方ないわねぇ、私も片付けるのを手伝ってあげるから」 「ど…ど…どうしよ…。どーしよぅ和ちゃん……」 私の身体の震えは、家電量販店の最新マッサージ器を凌駕する勢いであった。 …… 澪「それにしても遅いな唯…。一体何をしてるんだ」 律「どっかで寄り道してるんじゃねぇの?茶道部の匂いに惹かれてフラフラとか」 紬「そんな、蝶々じゃないんだから。お茶菓子はもう沢山食べたし大丈夫よ」 バッタンー!! 唯「律っちゃぁぁぁぁんっ!どうじよう゛!律っちゃぁぁぁんっ!!」ガバーッ 律「な、なんだぁ?落ち着けよ唯。どうした、なんかあったかの?」 唯「落ち着いてなんか居られないよ!えまーじぇんしーなんだよ!!リッチャンエマージェンシーなんだよっ!」 律「なんだよそのエマージェンシーは…?いいから、何があったんだ」 唯「あずにゃんが……あずにゃんが……」 澪「梓が!?まさか梓の身に何かあったのか!」 紬「それは本当なの!?まさか病気が悪化して入院とか!」 唯「違うの…!そのあずにゃんじゃなくて……あずにゃんカップが。あずにゃんカップがこんな酷い事に…」ガチャガチャ…… 紬「……………あら」 律・澪「……………ぁ」 唯「へ、へるぴみー…リッチャン…」ガクガク 律「お前何やってんだよ!?よりにもよって梓のカップを割るなんて」 唯「ま…、まさかこんな事になるなんて…、どうしてあずにゃんカップなの……。私か律っちゃんのカップなら良かったのにね…」ガクッ 律「いや、良くねぇよ!何さり気なく私もカップも巻込んでんだよ!謝れ、私のカップに謝れ!」 唯「うぅ…、ゴメンなさい律っちゃんカップ」ペコリ 紬「落ち着いて唯ちゃん!カップに謝っても梓ちゃんのカップは返ってこないわ」 律「あーぁ、梓が部室に来たら怒られるぞ。入部してからずっと使ってたもんなぁ」 唯「やっぱりそうかな…?あずにゃん怒るかな…」 律「もしかしたら、唯が夜道を歩いてるときに背後からムスタングで…」 唯「む、…ムスタングで!?むすたんぐで私どうなっちゃうの!?」ビクッ 律「いや、そればっかりは私の口からは…。ただ月の無い夜には気を付けるんだぜ…」ポン 唯「ちょっと!気になるよ律っちゃん!?ねぇ澪ちゃん、月のない夜っていつかな、今日じゃないよねっ!!」 澪「知らないよ、そんなの…。いいから落ち着けって。律も無駄に煽るんじゃない」 律「でもよ、実際問題どうするんだよ。この割れ方はボンドでくっつけるのは無理じゃねーか?」ガチャガチャ 唯「だ、大丈夫だよ!憂はパズルとか得意なんだよ、憂に頼めばきっとなんとかなるよ!」 律「いや、もうパズルってレベルじゃねーぞ。これは考古学クラスなんじゃないか」 唯「こ、考古学!?だったら考古学部に持っていこうよ!」 澪「そんな部ないよ、いいから落ち着けって。なぁムギ?」 紬「はい?何かしら澪ちゃん」 澪「このカップってどこで買ったヤツなのかな?もしかしたら同じヤツが売ってるかも」 唯「そ、そうか!?澪ちゃん流石だよ!あずにゃんカップが無いならあずにゃんカップを買えばいいんだよ!」 紬「えーっと…、どこだったかしら?確か…」 唯「どこかなムギちゃん!?…そうだ、ムギちゃんの事だから海外なのかな!スイス王室御用達のカップ!?」 紬「……あ、そうだわ思い出したわ!」ポンッ 唯「スイスって海外だよねっ!どうしよう律っちゃん、私パスポート持って無いよ!?律っちゃん持ってるかな?海外って何を持っていけばいいの律っちゃん!何が必要なの!」 律「うるせぇよ!どんだけテンパってんだよ!?今お前が必要なモンはパスポートじゃなくて平常心だっ!」 紬「ふふ、安心して唯ちゃん。あのカップを買ったのは国内よ」 唯「…え?それは本当なの!」 2
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「あずにゃん、おいで」 ベッドの上で両手を広げる唯先輩に、私は迷わずダイブを決め込んだ。 すると、唯先輩はぎゅうっと包み込むように私を抱きしめ返し、おまけに頭をなでなでしてくれるサービスつき。 思わずふにゃんっとだらしなく頬が緩んでしまう。あぁ、この瞬間をどれだけ待ち望んだことだろう。 私はやがて、全身の力が抜けていくのを感じながら、その全てを唯先輩に委ねていった。 「えへへ、部活の時とはまるで別人だね。こんなあずにゃん、きっと世界中で私しか知らないんじゃないかな?」 「きっとじゃなくて、絶対です。親にだって、こんな甘え方はできません。後にも先にも唯先輩だけですよ」 「嬉しいこと言ってくれちゃって。これだからあずにゃんは好きで好きで堪らなくなっちゃうよ♪」 唯先輩は『お礼だよ』と私の首筋にちゅぅっと吸いついてきた。 「んっ…!」 私はビクッと身体を震わせ、その刺激に慣れるためにきゅっと目を瞑った。 「あずにゃんは部活の時もずっとこうされたかったんだよね?ごめんね、我慢させちゃって」 「そ、そういう唯先輩だって、本当は早く抱きつきたくて大変だったくせに…」 「うん、ほんとは放課後あずにゃんに会った時からずっとこうしたかったんだけど、 あずにゃんも我慢してるってこと知ってるから、私も頑張らなきゃって思って……でも辛かったよ」 「お互い苦労してるんですねぇ……」 「だ・か・ら、もう我慢しなくていいいもんねー♪」 「うにゃっ」 唯先輩は私に勢いよく覆いかぶさると、タガが外れたように容赦なく抱きしめまくる。 身体の使える部分は余すことなく利用し、密着していない身体と身体の、僅かな隙間さえも許さない。 私も負けじと抱きしめる力を強くしていく。唯先輩に負けないぐらいに強く、強く、強く、強く、強く………。 「ふにゃぁ…」 「あれ、あずにゃんもうダウン?」 「くっ……なんの、これしき……」 「ほい♪」 「んにゃぁっ!?」 理性を取り戻しつつある私に、唯先輩は無情にも追い打ちをかけてくる。 正直、理性なんて保てたもんじゃない。私の身体は、唯先輩の攻撃を受けた部位から使い物にならなくなっていく。 そして、とうとうその猛威は、私という人間を構成し、制御している頭のほうにまで進撃してきて、 「ふにゃぁ…」 「あれま」 結局、私はなす術もなく唯先輩に抱き伏せられてしまった。 ベッドの柔らかさと唯先輩の柔らかさに挟まれて、豪華なサンドイッチができあがっている。幸せすぎて死にそう……。 それから、完全に思考回路がマヒしだした私は、本能的にもっともっとと唯先輩を求めはじめていった。 「なに?あずにゃん」 「ん……ん……」 しかし、未だに余裕の色を見せつける唯先輩は、意地悪な笑みを浮かべてこう言う。 「あずにゃん、上目遣いだけじゃわからないよ?ちゃんと口で言ってくれなきゃ」 「やぁ……そんな、意地悪しないでよぉ……」 私はいやいやと首を振って、赤ん坊が母親に抱っこをせがむように、両手を差し出しておねだりしている。 でも、それでも、唯先輩はまだ足りない言う。これ以上、虐めないで……。 「じゃあ言って?そしたら、あずにゃんの願いはなんだって叶えてあげる」 「うぅぅ~…」 この期に及んで、持ち前のプライドがそれを阻止しようと邪魔をする。 こんなのは不本意だ。本当は早く唯先輩に抱きしめてもらいたくて、うずうずしているのに。 充分に火照ってしまった身体は切ないぐらい唯先輩を求めて鳴いているのに。 もう……ムリ……死んじゃう……。 「ゆい、おねがい……もうムリ、だからぁ……いっぱい、いっぱい抱きしめてぇ……もっと、私を愛してよぉ」 私はポロポロと涙を零しながら懇願した。 もう、自分がどんな言葉を口にし、どんな表情を向けているのかさえわからない。 なにも、考えられない……。 「ごめんね、あずにゃん……ちょっと意地悪し過ぎちゃったみたい。辛かったよね?」 「ぁ………んむっ……」 すると、唯先輩は優しく微笑むと、自分の唇を私のそれに静かに重ね合わせてきた。柔らかい…。 「んんっ!!?」 瞬間、私の身体に、今まで溜めこんできた快感の波が、津波のごとく一気に押し寄せてきた。 頭は痺れ、視界はチカチカと点滅する。 あぁ……蕩けちゃう…… 「ん、ぴちゅ……ちゅ、んむぅ……」 「ん……ちゅむ…ちゅ……」 絡みついた舌と舌どうしが、滅茶苦茶に口内を愛撫し、暴れまわる。 私はただ一心不乱に、唯先輩を求めることしかできない生物と化していた。 そこから先のことは……よく覚えていない……。 おわり 泣きながら甘えるあずにゃんが良すぎる -- (名無しさん) 2010-07-21 15 21 29 鼻血が・・・ -- (名無しさん) 2010-08-02 10 02 39 泣いて甘えるあずにゃんに白旗…(- -) -- (名無しさん) 2010-08-17 15 36 46 唯先輩いけ -- (あずにゃん) 2010-12-30 15 10 24 あずにゃんキモい -- (名無しさん) 2010-12-31 02 42 16 ↑ふざけ、あとあずにゃん可愛いよ…鼻血問だ -- (あずにゃんラブ) 2013-01-20 11 18 26 唯梓は正義 -- (風吹けば名無し) 2016-06-19 12 43 13 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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1 2 唯ロリ梓? ※僕っ子 2011/01/09 http //raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1294513920/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る あずにゃんさんがとても可愛いかったです!! 唯さんもあずにゃんさんもお互い大好きで、とっても大切に想っているのですね♪ それにしても、駅員には腹が立つ!! どうしてああいう言動しかできないのか、さっぱりわからん。 -- (唯梓厨) 2011-03-10 05 22 03 キノの旅読みたくなってきた -- (ケイオンダイスキ) 2011-03-01 19 29 29 元ネタは『赤ちゃんと僕』でしょうか? -- (名無しさん) 2011-02-22 11 57 38 おもしろかった!!! 梓の声をタラヲで脳内再生してたのは自分だけじゃないはず -- (じゃじゃ馬) 2011-01-13 22 36 55 何故か、ねじ式を連想した。 -- (名無しさん) 2011-01-13 22 02 34 批判しかないけど、感動した -- (名無しさん) 2011-01-13 17 38 57 原作読んでないけど西原理恵子『いけちゃんとぼく』が元ネタなのかな? -- (名無しさん) 2011-01-13 13 18 47 けいおんじゃなくてもいいよね。 -- (名無しさん) 2011-01-13 09 02 22 けいおん関係ないけど面白い -- (名無しさん) 2011-01-13 05 45 48 ほのぼのすなぁ( ・ω・`) 唯 「あずにゃん、あったこい♪」で何故かナポリタン吹いたwww -- (ななしん!) 2011-01-13 02 54 50
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コンコン 律「(ムギ~、そろそろいいか?)」 紬「(うん、大丈夫だと思う)」 律「(おk)」 ガチャ 律「寝たかな?」 澪「可愛い寝顔だな」フフ 唯「あずにゃんかわいいな~、スリスリしたいな~♪」 紬「ダメよ唯ちゃん、梓ちゃんが起きちゃうわ」 唯「ちぇ~」 律「でもさ、梓・・・ちゃんと私たちのこと見てくれてたんだな」 澪「当たり前だろ、梓は人一倍努力家で真面目な子なんだ。きっとそれなりに気苦労もあっただろう」 唯「あずにゃん大変だったんだねー」 律「梓は苦労性だなあ」 澪「お前らが大概原因だろうが!」 唯「きゃー、澪ちゃん怖いー」 律「澪ちゃん怒っちゃやー」 澪「・・・はぁ、やれやれ」 紬「うふふ。それにしてもこうしていると、梓ちゃんも子供みたいね♪」 澪「ムギの膝枕でぐっすりだもんなー」 唯「ムギちゃん、今度は私にも膝枕してー♪」 律「あ、私も私もー」 澪「お前らな・・・」 紬「あらあら、うふふ」 梓「ん・・・」 紬「あら、起きちゃったかしら?」 梓「・・・お母さん・・・」 唯「寝言みたいだね」 律「ムギがお母さんかー、いいなそれ」 澪「確かにムギはお母さんって感じだな」 紬「あらあら、うふふ」 紬「・・・お母さん、か」 紬「そろそろ起きなさい、あずにゃん♪ なんてね」 おしまい 戻る
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梓「!? う、憂? ど、どうしたの!?」 憂「? どうもしないよー?」スリスリ 梓「ちょっ…や、やめて…やめてったら、もうっ」キッ 憂「睨まれた!?」ヒィ 梓「どうしたのよ急に、唯先輩の真似なんかして。…熱でもあるんじゃない?」 憂「え? う、うん。ちょっと具合が悪くってさー」 梓「大丈夫? 保健室、行ってあげようか?」 憂「んーん、平気平気。お薬飲んでるしもうよくなっちゃった」 梓「なら、いいんだけど」 憂(そっか憂は抱きついたりしないんだぁ。あぶないあぶない) 梓(なんか変だなぁ) 純「おはよ憂、あーずさっ」ダキッ 梓「お、おはよう。もう…純までなんなの」 純「なんか入ったら憂が抱きついてるのみたから、気持ちいいのかと思って」モミモミ 梓「にゃ、にゃぁっ!? どどどどこさわって…ちょっ…やっ…」 憂「ねえあずにゃん」ジーッ 梓「う、憂黙ってみてないで止めっ…あ、あずにゃん?」 憂「この人は抱きついてもいいの?」 純「?」 梓「こ、この人って…純のこと?」 憂「あずにゃん…知らなかったよ。私の他にも身体を許してるだなんて…ひどいよこの浮気もの!」 純「なっ!? ちょ、ちょっと憂!? そんな誤解されるよう事を」アセアセ 梓「…誤解されるような事をやってるのは純の方じゃな…う、憂?」 憂「…ぅっ…ぐすっ…」 梓「な、泣いてるの?」 純「うわっ…ガチ泣きって…わたしのせい? ていうか…憂、大丈夫なの? その、頭とか」 梓「わかんない。具合が悪いから薬飲んだって言ってたけど…なんか私の呼び方も変…!?」 純「梓?」 梓「…もしかして…」 憂「ぅっ…ぇぅっ…」グスグス 梓「…ほら、唯先輩。大丈夫ですって。純はただふざけてるだけですし、私は唯先輩の事を嫌いになったりなんかしませんから」 憂「ほ、ほんと?」パァァァ 梓「ええ。だから泣かないで下さい唯・先・輩」ニッコリ 憂「う、うん! あずにゃんむっ」ガシッ 梓「はいそこまでです。…やっぱり唯先輩でしたか」 憂「んぇ…!? な、なんのことやらさ、さっぱり」アセアセ 梓「じゃあ私のあだな言ってみて。憂なら唯先輩と呼び方が違うはず」 憂「えっ!? ええええと…あ、あずさ2号?」 梓「やっぱり偽物じゃないですか」 憂「あう…」 梓「もう。なんだってこんなことするんですか」 憂「うう…ごめん。あずにゃんと一緒に授業うけたりとかしたら楽しいかなぁって…つい」 梓「! そ、そんなことで入れ替わらないで下さい! まぎらわしいんだから…もうっ」 純「?梓顔赤いよ。ていうか何がどうなってるのかさっぱりわからないんだけど…」 梓「知らない!」プイ 純「きりーつ、れーい、ちゃくせきー」ガタガタ 梓「はぁ…あの後ホームルームも授業も連続しちゃうから結局このままとか。…憂相当苦労してるんじゃないのかなぁ」 憂「うーん、うーん」 純「何唸ってるのよ憂。…まだ頭が痛いとか?」 憂「あ、純ちゃん。さっきの先生の授業、すごくわかりにくくって」 梓「…」ハァ 純「だよねー。わたしもわかんなかったから憂に聞こうかと思ったんだけど…でもいつもの憂なら… まあ具合悪いんならしかたないよね。 ちょっと頼りないけどノートは梓に見せてもらうからさ、憂は保健室行ってみたら?」 梓「唯先ぱ…憂、ちょっといい?」 憂「あずにゃん? どうしたの手なんかつないで」ドキドキ 梓「一緒に来てもらいます」グイッ 憂い「ちょっ…ひ、ひっぱらないでって」 梓「休み時間の間に元通り入れ替わってもらいます!」グイグイ 憂「ひぇぇぇ」 純「お大事にー」 梓「失礼します」 律「おー梓じゃん」 澪「どうしたんだ?」 紬「あら憂ちゃん」 和「憂? ああ、唯ったらまたお弁当忘れたのね。でも梓ちゃんも一緒になんて、珍しいわね」 唯「憂? どうしたの? あっ♪」 梓「ええ、ちょっ…にゃぁっ!?」 唯「あーずにゃんっ!」ダキッ 憂「あ、ず、ずるい! 私もっ」ダキッ 梓「ちょっ…や、やめて下さい唯先輩、憂まで…!?」 紬「あらあらまあまあ」ツヤツヤ 澪「唯はともかく…憂ちゃんまで…どうかしたのか?」 和「? ……!」 律「…脳にくる怪しい病気とか」ニヤリ 澪「ひっ」キコエナイキコエナイ 和「…ちょっと、止めなさい唯。梓ちゃんが困ってるわよ」 唯憂「ちぇー」 和「…やっぱり。把握したわ梓ちゃん。まったくとんでもないことを考えるわね唯は」 唯「? なんのこと?」 憂「な、なんのことだか」 梓「憂、唯先輩の真似はもういいのよ。バレちゃってるんだから。大変だったでしょ?」 唯「あずにゃん? 憂はこっちだよ?」ガシッ 憂「う、憂?」 梓「憂? だから、もういいんだって。ほら、リボンと上履き換えて、教室帰ろ?」 唯「? どうしたのあずにゃん? 変だよ? も…もしかして…熱でもあるんじゃ!?」アセアセ 和「憂? いや…唯?」 唯「? 和ちゃんまでどうしたの? きょとんとして…変な顔」 きーんこーんかーんこーん 和「…梓ちゃん、予鈴鳴ってるし…また後にしたらどうかしら」 梓「え? え、ええ」 和「それと…ちょっと、いいかしら。耳を」ボソッ 梓「なんですか?」 和「憂が入れ替わった唯というか…私には唯そのものに見えてたし、実際いまもそう見えるの。それに…」 梓「?」 和「こっちではだれひとり気付かなかったのよ。…授業の後にわからない部分を聞いて来る箇所まで同じだし…」 梓「それって…どういう…」 唯「あずにゃん、授業…遅れちゃうよ?」 梓「は、はい。…えっ!?」 唯「?」 梓「…も、戻ります。憂、戻るよ」グイッ 憂「わっ…ちょっ…まってよぉ」ドタドタ 唯「どうしたんだろ。憂にあずにゃん」 澪「さあな。憂ちゃんどうかしたのか?」 唯「えっ? うーん、…そういえば、今朝憂となにかあった気がする…ような」 紬「あったって…なにかしら?」 唯「わすれちゃった。えへへっ」 律「まったく。これだから唯は」ヤレヤレ 和「…」 澪「和?」 和「なんでもないわ。先生が来たみたいね。席につきましょう」メガネクイッ 純「憂大丈夫だったの?」 憂「うん。へーきへーき」 梓「…」ハァ その次の休み時間も、その次も、お昼休みも、その次もその次も…唯先輩に扮した憂は相変わらず唯先輩だった。 正直言って私にも唯先輩そのものにしか見えなかったし、 和さんもとても嘘を言っているようには見えないと戸惑っているようだった。 でも、一番困惑しているのは…。 憂「あ、あずにゃーん…。憂…どうしちゃったのかなぁ? やっぱり…怒ってるとか?」オロオロ 梓「…わかりません。さっきの休みも和さんが言ってましたが、 唯先輩が怒ってるとどんなに隠しててもすぐにわかるらしいんです。もちろん憂のこともある程度は。 それに嘘をついても唯先輩ならすぐにわかるということですし」ツカツカ 憂「?」 梓「…つまり、憂は怒ってないんじゃないかってことです。隠し事もしてないように見えるみたいです。それと…」 憂「それと? あ、あずにゃん歩くの速いよ」テクテク 梓「す、すみません。…ひょっとしたら強烈な自己暗示にかかってるんじゃないかって…」 憂「きょーれつな…じこあんこ? なにそれおいしい?」キラキラ 梓「…えっとですね…」 律「よー梓。今日は遅いじゃん。憂ちゃんも…あー、唯…だっけ?」 憂「そうだよー。まちがっちゃやだよーりっちゃん」プンプン 梓「は、はい。ホームルームが長引いちゃって。澪先輩たちはもう?」 律「日直があってさ。澪とムギは先にいってるはずだし、今頃お茶でも…んー、良い匂い。ここまで来るな」クンカクンカ 憂「ほんとだー」フンスフンス 梓「ってことは、唯先輩も」 唯「あっ♪」 梓「!」ピクゥ 唯「あーずにゃんっ!!」ダキッ 梓「ひゃぁっ!?」 律「うーん、それにしてもこうしてみるとほんとに唯と憂ちゃんそのものにしか見えないな。 さわちゃんじゃないけど胸の大きさもそれっぽいし、身長も唯の方が大きくみえる…。 何かいれてんのかな?」 唯「むふーん。あーずーにゃん」スリスリ 梓「や、やめてください唯先輩っ…ろっ廊下でなんて…」 憂「あうぅぅ…わたしのあずにゃん…」オロオロ 律「憂ちゃん…じゃなかった、唯? …紛らわしいなー」 憂「…りっちゃん…辛いよ。わたしがあずにゃんとあんなに幸せで仲良さそうにしてるのに…わたしは…憂は一人…」ポロポロ 律「…(ま、まあいつもの光景なんだけど…どっちかというと唯に弄られてる梓に嫉妬する憂ちゃんてのがしっくりくるような…)」 梓「み、見てないで止めて下さいよ律先輩!」 律「あ、ああ。おい唯、いい加減にしとけよ。梓も困ってるし」 唯「ちぇー」ブスブス 憂「…あずにゃん、りっちゃん、私、帰るね」 梓「えっ?」 憂「よく考えたら…ごはんも作らなきゃいけないし、洗濯物も取り込まなきゃいけないし、お風呂の用意もあるし…。 憂…あずにゃんと…あずにゃんとお幸せにっ」ダッ 梓「憂!? じゃない、唯先輩!?」 律「お、おい憂ちゃ…唯!?」 唯「? どうしたのりっちゃん、あずにゃん?」キョトン ドア「がちゃ」 澪「表が騒がしいと思ったらこれだ。お茶の用意できてるみたいだぞ」 唯「わぁお♪」 律「ムギー、今日のお菓子は?」 紬「今日はたいやきにしてみたの」 梓「にゃっ!? た、たいやきですか!?」ジュルリ きゃいきゃい 澪「ふう。そろそろ練習だな」モグモグ 唯「えーこれもう一個食べてからー」 梓「あっ…ず、ずるいです唯先輩。わたしまだ3つしか」 唯「割り切れないから余りは早いもの勝ちだよー」 紬「まあまあ梓ちゃん。ほら、わたしの分を半分あげるから」 続き
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さわ子「澪ちゃんはいいのかしら?」 澪「いえ…、私は部室の戸締まりがあるし…」 さわ子「だったら、私が戸締まりはしておいてあげる。……こう言ったらどう?」 澪「さ、さわ子先生……!」 バタンッ 紬「……あら、アレってまさか」 タッタッタッタッ! 澪「おーい、みんな待って!待ってくれよ、私も行くー!」ダッ 唯「み、澪ちゃんまで…。ありがとうみんな!」 律「店の中で走ったらダメじゃなかったのかー澪!」 さわ子「あ、ちょっと待ちなさい唯ちゃん。これを持って行きなさい!」シュ パシッ! 唯「こ…これは!?電車でもバスでも使える『Suica』!でも、これはさわちゃんのじゃ…!」 さわ子「レンタル料は助手席の、このウーパールーパにしておくわ。持って行きなさい」 唯「あ、有り難う!これで百人力だよ!」 律「はは…、まさかあのぬいぐるみが本当に役に立つなんてな」 さわ子「駅はこの建物の裏手だからね。車に気を付けて遅くならない内に帰るのよ」 唯「りょーかいだよ!よし、行こう!行こうよ皆」 …… ……ブチン 梓「何このドラマ、完全に打ち切りエンドじゃない。最後まで見て損した。はぁ、……退屈。やっぱり無理してでも部活に出れば良かったかな」ゴロン ピロッパッニャー♪ 憂『あ、梓ちゃん!今ちょっと良いかな、寝てたりしてた?』 梓「ううん、ドラマ見てたから大丈夫だよ。何か用?」 憂『うん!お姉ちゃんがそっちに行ってないかな?』 梓「唯先輩?来てないよ。どうかしたの」 憂『実はまだ、お姉ちゃんが帰って来てないの…。電話しても繋がらないし。……迷子になってたらどうしよう』 梓「落ち着きなよ憂。そんな訳無いじゃない、唯先輩はもう高校生なんだから」 憂『で、でも……』 梓「そんな事よりアウトレットはどうだったの?純と行ってきたんでしょ」 ホーホー… 唯「う、ういー!ここ、どこ…、ジャスコは?ジャスコはどこなの。うぃー!」キョロキョロ 澪『よし、大体場所は分かったぞ。皆の携帯に転送するよ』ピッ 紬『…ふむふむ。今の時間から間に合わせ範囲の総合スーパーはこの四つね』 唯『よし、迷ってる暇は無いよ!私は北西のジャスコ、澪ちゃんは南南西の西友、ムギちゃんは東のイズミヤ。そして律っちゃんはココのお値段以上ニトリだよ!」ズビシッ 律『おぉ!唯のヤツなんか凄いな。異様な気迫に充ち満ちているぜ』 紬『本当ね、とっても頼もしいわ!』 唯『甘いね、今の私はただの平沢唯じゃないの…。そう、コマンダーユイなのさ!』 紬『おぉー。それじゃ司令官の唯ちゃん、命令をどうぞ』 唯『時は満ちた、今こそあずにゃんカップをこの手に…。その為にここまで耐え忍んだんだよ!いくよ、皆の衆!』ダッ 律『どうしたんだよ澪?やけに志気が低いじゃねーか!』 澪『………なんか心配だな』 「はぁ…、こんな事ならあんなの言わなきゃ良かった。凄い恥ずかしいよぅ…。とにかくジャスコの位置を確認しないと」サッ ピッ…ピッ……ブチン… 「……え?あれ!?嘘っ、こんな所で電池切れなの!」 カチカチ… 「ど、どうしよう…。これじゃ律っちゃんに電話も出来ないよ!」 ホーホー… 「あぁ…いつの間にか真っ暗だよ。月が出て無いのかな。………うん。月が無い?」 私は自分で口に出した言葉に疑問を覚える。しかし、それがどの単語かを理解する前に私の頭から爪先までを、まるで冷や水を被せられたかの如く寒気が走った。 『唯が夜道を歩いてるときに背後からムスタングで……』 『月の無い夜には気を付けるんだぜ……』 瞬間、私は遥か虚空に目を向ける。その瞳に映った物は黒。呆れる程に黒一色だった。 「月の無い夜……。いや、まさかね。何を驚いてるんだか…。どうせ律っちゃんが脅かしただけだよ…」 私は一度深呼吸を付こうと大きく息を吸い込もうとした。しかし、その行為は私の耳に響いた物音により中断される。 「こんな所に人…?いや、違う。そんなはず無い…。こんな時間にこんな道を通る人なんか居ない。これは…」 吸い込んだ息を吐き出す事さえも忘れて、私はただそこに立ちすくむ。まるで両足を鎖でがんじがらめにされたように……。 「あ……あずにゃんなの……」 私は自分を安心させる為に、その言葉を呟きかける。 有り得ないのだ、あずにゃんがここに居るはずが。 有り得ないのだ、返事が返ってくる事が。 だから、こそ安心できる。今私の頭に過ぎった事はただの妄想に過ぎない、返事が無い事がそれを証明しているのだから。 「……ぃ…パイ…。ゆぃセンパ…」 刹那。私の足は幻想の鎖を引き千切り、猛然と前方を虚空を翔けた。 己に宿る製造本能がそうされるのだろうか、私は自分でも驚く程の速力だった。 「あ、あれは私の知っている中野梓じゃない…。三十六手で必ず私を仕留める、悪鬼。そう、あずにゃんカップの怨念なんだから!」 振り払え、迷いを。振り払え、己の限界を。 でなければ、私はもう二度と演奏をする事は出来ない。 だって…その時には既に私という固体は生命活動を停止してただの蛋白質へと姿を変えて…… 梓「ゴチャゴチャうるさいですッ!止まれって……言ってるでしょ!」ブォン スパコーンッ! 唯「はふぅ!?」ドサッ ガッシ! 梓「やっと、捕まえましたよ!どこまで世話をやかすんですか」 唯「痛たたた…、これはサンダル?それじゃ足があるの!?本当にあずにゃんなの」 梓「だからそう言ってるでしょ!他に誰が居るんですか」 唯「そ、それはそれで具合が悪いよぅ!後一日成仏してくれないかな!?」 梓「だから、私幽霊じゃありませんよ!」 唯「でも、どうしてあずにゃんが私の居場所分かったのさ?」 梓「憂が余りに心配するから、澪先輩に電話したんですよ。そしたら、本当に迷子かもしれないって言うから…」 唯「そ、それでわざわざ私を探しに来てくれたの?」 梓「私だけじゃないですよ。律先輩やムギ先輩も、皆探してくれてるんですよ」 唯「うぅ…、皆の足を引っ張るなんて…。コマンダーYUI失格だよ…」 梓「なんですかコマンダーって?ほら行きますよ」 唯「…え?行くってどこにかな」 梓「向こうですよ。ほら、明かりが付いてるでしょ」 唯「明かり…?あっ、あれはジャスコ!?こんな所にあったの!?」ダッ 梓「あ、ちょっと!?」 ガラガラガラガラ… 唯「シャッ…、シャッターが閉まる。遅かったって言うの……」 梓「私のマグカップですか?別にいいですよ、他を使えば」 唯「えっ!?なんでそれを!もしかしてあずにゃんカップの怨念に…」 梓「違いますよ、澪先輩から電話で聞いたんです。あんまり怒らないでくれって言われたけど…」 唯「それじゃあずにゃん怒って無いの?あずにゃんカップ割っちゃったんだよ!」 梓「怒るよりも呆れてますよ……。そんなに私に怒られるのが嫌だったんですか?」 唯「それもあるけど、あずにゃんが可哀相だったんだもん…」 梓「私が可哀相…?」 唯「だって、あんなに可愛くて素敵なあずにゃんカップを無くしちゃったんだもん…。それも私のせいなんだよ?だったら見つけるしかないじゃない…、たとえ0.01%の確率しか無くても…」 梓「唯先輩…。違いますよ、0.01%なんかじゃありません…」 唯「……え?」 梓「澪先輩やムギ先輩。それにさわ子先生…、皆頑張ってくれたんです。0.05%、それでも見つからないんだったら文句は無いですよ」 唯「で、でも本当に良いの?大事なあずにゃんカップなんだよ!」 梓「そうですね…。でもそんなマグカップよりも、私の為にここまでやってくれる軽音部の皆…。そっちの方が私にとっては何倍も大事なんですよ」 唯「あ、あずにゃん!ありがとうあずにゃぁぁん!」ガバーッ 梓「ふふ…、やっと笑ってくれましたね。やっぱり唯先輩には…笑顔が」 唯「あずにゃん…?どうしたのあずにゃん!」 梓「ごめんなさい、無理し過ぎたみたいでちょっと頭痛が…。少し、休ませてもら…」ズルッ… 唯「あずにゃん、しっかりして!大丈夫なの!」ガシッ … 梓「あ、あれ……。ここは…」パチッ 唯「気が付いたかな?心配したんだよ」 梓「唯先輩のウチですか…。私をおぶってここまで?」 唯「当たり前じゃない。あずにゃんカップの罪滅ぼしだよぉ」 梓「ふふっ…。ありがとうございます、唯先輩」 ガチャリ… 憂「あ!お姉ちゃん、良かった無事だったんだね!」ダッ 唯「大袈裟だよぉういー。私はジャスコに行ってただけだよ」 憂「早く上がって、梓ちゃんも!いま温かい飲み物淹れるね」 憂「それじゃ、お姉ちゃんはずっと梓ちゃんのマグカップ探してたんだ?」 唯「聞くも涙、語るも涙なんだよういー」 憂「……めっ!だよ、お姉ちゃん」ビッ 唯「はふぅ!?な、なんでういが怒るの」ビクッ 憂「悪い事をしたら、まずは謝らないとだめだよ」 唯「そ、そっかー…。ういは厳しいねぇ」 梓「別にいいよ憂。また別の買えばいいし」 憂「そう?ゴメンね梓ちゃん」 唯「うぅ、ゴメンよぅぃー」 憂「でも、お姉ちゃんも今日一日頑張ったしね。ほら、コレ。私からのプレゼントだよ」ガチャガチャ 梓「…プレゼントってそのホットココアなの?」 憂「違うよ。ほら、このお姉ちゃんのカップ、可愛いでしょ」 唯「こ、…この丸いフォルム…。このぷりてぃな取っ手の尻尾…!?」ガタタッ 梓「私のマグカップ!?でもなんで憂が持ってるの!」 憂「なんでそんなに驚いてるの?このマグカップは今日行ったアウトレットモールで売ってたんだよ」 梓「アウトレットモール…。そうか、そういう事だったのね」 唯「ど、どういう事なのかな!?あうとれっとって何?考古学部の事?復元したのかな!」 梓「違いますよ…。ほら、ココアでも飲んで落ち着いてください」サッ ズズズズ… 唯「はふぅ…!やっぱりあずにゃんカップは魔法のマグカップだよぉ」 憂「良く分からないけど、お姉ちゃんが幸せそうで私も嬉しいよ」 =翌日= 澪「アウトレットモールっていうのは、メーカーの訳あり品や半端ものを取扱ってる所だよ」 唯「訳あり品…。そっかー、だから倒産した会社のあずにゃんカップもそこに流れついてたんだね」 律「まさか駅前にそんなモンが出来てたなんて…。知ってりゃ最初からそうしたのにな」 梓「今回ばかりは純の無駄な情報網に感謝ですね」 律「感謝っていやぁ、さわちゃんにもしとかないとな。まだ来ねーのかな」 梓「さわ子先生なら、青い顔して教頭室の方に歩いて行きましたよ。何かあったんですかね」 唯「え…!?あー、うん何だろうねぇ律っちゃん」ガクガク 律「さ、さぁなぁ…、私に聞かれても至極見当が付かないぜ……」ガクガク 梓「……どうしたんですか?ねぇ澪先輩」 澪「ごめんなさい…ごめんなさい…」ブツブツ 紬「さぁ、皆。お茶が入ったわよ。はい、梓ちゃんのあずにゃんカップよ」サッ 梓「ムギ先輩までそう呼ぶんだ…。どうもです」サッ 澪「さて、それじゃ頂こうか」 唯「…………………」チラッチラッ 梓「な、なんですか唯先輩。そう何度もチラチラ見られると落ち着かないんですが……」 唯「え!?違うよぉあずにゃん。気のせいだよぉ」 梓「そ…、そうですか?」ズズズズ… 紬「ささ、今日はチーズスフレよ。沢山食べてね」サッ 澪「おぉ、そうなのか?私はこれ好きなんだよな」ズズズズ… 梓「へー、そうなんですか。それは初み……」ズズズズ… 唯「……………………」チラッチラッ 梓「あーっ、もう!唯先輩、そのカップ貸して下さい!」バッ 唯「え、ちょっと何するのあずにゃん!?」 梓「こうですっ……!」ゴクゴクゴク… 律「こらこら梓、そいつは唯の分だぞ。がっつくなよ」 梓「…はふぅ。す、凄いですよこの唯先輩のカップ!紅茶の味が二倍にも三倍にもなってますよ!」 唯「何言ってるのあずにゃん。これは普通のカップだもん。あずにゃんカップじゃあるまいし」 梓「いいから騙されたと思って飲んで見て下さいよ」サッ 唯「うぅ……」ズズズズ… 律「どうだ唯なんか変った味するか?」 唯「……はふぅ!?」ガタタッ 紬「ど、どうしたの唯ちゃん!大丈夫かしら」 唯「な、何これ!?まるで魔法みたいだよ。あずにゃんカップを凌駕する深い味わい…、これがゆいういカップ!?」ズズズズ! 澪「…おいおい、梓お前一体唯に何をしたんだ?」 梓「別に…、ただ魔法を掛けただけですよ」 律「馬鹿言うなよ、魔法なんてあるわけねーだろ」 梓「ふふっ、ありますよ。プラシーボ効果っていう魔法です」 紬「あ…!な、なるほどねぇ」 唯「ゆいういカップー、ゆいゆいういー♪不思議なカップー、ゆいういカップー♪」ズズズズ 律「……ほんと、思い込みの効果なら唯には絶対だな」 唯「この、ゆいういカップなら何杯でもオカワリできるよぅ!」サスサス =おしまい= 戻る
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ガチャ 澪「ただいまー。ごめんなムギ、梓、遅くな・・・ん?」 律「さわちゃん買い物長すぎるんだよー・・・まったく疲れたー。ん、何してんだ澪?」 唯「どしたの、澪ちゃん?」 澪「しーっ、ほら・・・あれ」 律・唯「?」 紬「あず・・・にゃん・・・♪」 梓「・・・お母さん・・・♪」 唯「寝ちゃってるね、二人とも」 律「しかもムギの膝枕で寝てるぜ梓。なんて羨ましい・・・!」 澪「あのな・・・」 唯「でもなんだかとっても幸せそうだね」 律「だな、なんだか親子みたいだ」 澪「うん、紬お母さんか・・・ムギらしいな」 律「起こすのも悪いし、しばらくは席外しとこうぜ」 唯「おー、りっちゃん隊員珍しい気の回し方ですな!」 律「ふっふーん、できる隊員は空気を読むものなのだよ」 澪「なに言ってんだか・・・ほら、行くぞ」 唯「あ、それじゃその前に~」トテトテ 澪「お、おい唯。どこいくんだよ」 唯「ん・・・しょっと。あずにゃんが風邪引かないようにって思ってね」ファサ 律「なるほど、上着をかけにいったのか。んじゃ私もムギの方にかけてくるか」 澪「静かにな」 律「分かってるって」 澪「お母さん・・・か。なんだか羨ましいな。あ、そうだ」 ガサゴソ 澪「これも、軽音部の思い出に刻んでおこう」パシャッ 唯「おやすみ、あずにゃん。ムギちゃん」ナデナデ おしまい 戻る
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図鑑 No.71 にゃんみくじ 釣れる場所 釣れる時間帯 値段にゃん 主な釣りエサにゃんごけし 釣れるものにゃんごけし 効果釣りエサに使用可 にゃんころにあげるアイテムとして使用可おみくじが引ける。結果によってはにゃんころの状態が変化
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にゃんこ ほしの島で作物、動物を育てたり、パンや乳製品など料理も作ったりして暮らす島の住民です。 レベルが上がると、ショップで引っ越し代を払うことでにゃんこの数を増やすことができます (※詳細は↓の引越しの項で) お店には、帽子をかぶっていたり、おひげやちょんまげのついたにゃんこがおつかいに訪れることも…? にゃんこ引越し代一覧 にゃんこを増やすためには、にゃんこの引っ越し代を払う必要があります。 引越しできるにゃんこの数は、レベルによって徐々に開放されていきます。 購入回数 金額 効果 解放レベル 0 - にゃんこが3匹居住(初期) - 1 100G 4匹目が引越してくる Lv3 2 300G 5匹目が引越してくる Lv4 3 500G 6匹目が引越してくる Lv5 4 1,000G 7匹目が引越してくる Lv6 5 2,000G 8匹目が引越してくる Lv7 6 3,000G 9匹目が引越してくる Lv8 7 5,000G 10匹目が引越してくる Lv9 8 1万G 11匹目が引越してくる Lv11 9 3万G 12匹目が引越してくる Lv13 10 5万G 13匹目が引越してくる Lv15 11 10万G 14匹目が引越してくる Lv17 12 20万G 15匹目が引越してくる Lv19 13 30万G 16匹目引越してくる Lv21 14 40万G 17匹目が引越してくる Lv23 15 50万G 18匹目が引越してくる Lv25 16 60万G 19匹目が引越してくる Lv27 17 70万G 20匹目が引越してくる Lv29 18 80万G 21匹目が引越してくる Lv31 19 90万G 22匹目が引越してくる Lv33 20 100万G 23匹目が引越してくる Lv35 21 110万G 24匹目が引越してくる Lv37 22 120万G 25匹目が引越してくる Lv39 23 130万G 26匹目が引越してくる Lv41 24 140万G 27匹目引越してくる Lv43 25 150万G 28匹目が引越してくる Lv45 26 160万G 29匹目が引越してくる Lv47 27 170万G 30匹目が引越してくる Lv49 28 180万G 31匹目が引越してくる Lv51 29 190万G 32匹目が引越してくる Lv53 30 200万G 33匹目が引越してくる